災害支援ナースとは、都道府県の看護協会に登録し、災害時に被災地に派遣されて支援活動を行う看護師のことを指す。
災害支援ナースは、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに作られた制度だ。
それまでは被災地の看護師が自らも被災している中、不眠不休で支援活動にあたっていた。
東日本大震災により知名度が上がり、現在全国で7000人程登録されている。
災害支援ナースは災害発生直後に被災地に派遣され、支援活動を行う。
主な仕事として、患者の病状の程度を示すトリアージや、避難所での被災者のケアが挙げられる。
災害時には怪我人が続出し、医療の現場が混乱状態に陥る。
トリアージを行うことで、混乱を解消し、治療が必要な人を優先的に治療することができる。
避難所ではご高齢者や障がい者など、介助を必要としている人も多い。
食事の補助や保清、排泄の援助も大事な仕事である。
さらに、被災により精神的なダメージを負った被災者に対する心のケアも行う。
災害支援ナースになるには、登録条件を満たした上で、各都道府県が主催する災害支援ナース研修を受ける必要がある。
登録条件とは、臨床経験が5年以上(都道府県によっては3年以上)、日本看護協会の会員であること、勤務先の所属長からの登録の許可を得ていることだ。(※参照:「ナースにできる、災害支援」)
災害支援ナースはボランティアではなく、交通費や宿泊費の実費支給がきちんと行われる。
しかし、過酷で悲惨な現場をあたることも少なくないため、ボランティア精神を持った活動が必要となる。